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町屋を中心にした職住近接の理想的な町が都市計画法でいう商業地域に指定されているのだ。
ここの容積率は四○○%である。 東京・高島リゾート・ブーム新潟県湯沢町は一九八○年代後半のバブル時代に、全国的に有名になった。
人口九千五百人、三千世帯余の町に一九九二年末までに、十階、二十階などの中高層マンションが五十一棟も立ちならび、合計で一万千百戸にのぼっていた。 ほんの近年までは、周辺に中高層建築のなかった苗場、岩原など町内のスキー場のゲレンデは様相が一変している。
反対側の山の斜面を見ながらの滑降は、いまや高層マンション群への滑降となっている。 しかも、冬のスキー・シーズンになっても、明かりの灯らないマンションがじつに半分近くもある。
いかに、これら外部資本によるマンション建設が、住む意志のない企業や個人の投資の対象にすぎなかったかということを物語っている。 平の高層団地でも容積率が二○○%にすぎない。

この高容積率は、町屋を壊して中高層ビルを建てなさい、といっているようなものだ。 地上げへの招待状である。
事実、一九八○年代のバブルの時代に、この高容積率をねらって東京マネーが洪水のように殺到し、地上げが横行し、ブルドーザーで破壊された町屋のあとに中高層のマンションやオフィス・ビルが乱立し、地価は全国一の高騰を記録した。 こうしたマンションにすべて人が住んだら、そこから出るゴミは、湯沢、塩沢、六日町の三町でつくる南魚沼郡広域事務組合環境衛生センターの焼却炉が、二十四時間のフル操業をしても処理しきれないのは明らかだ。
湯沢町自身も、これほどの規模のマンションの洪水を望んでいたわけではない。 町としては、これら建築物を計画した業者が建築確認の申請をしてきたとき、拒否できなかった。
都市計画法と建築基準法からいえば、原則としていずれも適法だったからだ。 なぜ、そうなのか。
湯沢町の新興マンションの大部分は、都市計画法でいう市街化を抑止すべき「市街化調整区域」か、あるいは農村、山林、原野の「白地区域」に建っている。 本来なら、こうした自然にめぐまれた地域では、自然や景観を守るためにも、建築物の規制は住宅地より厳しくあるべきだが、日本の都市計画法では「市街化調整区域」も「白地区域」も容積率は四○○%まで認められていた。
ホテルでも中高層ビルでも建てられる、商業地域なみの甘い規制である。 安い土地に巨大なリゾート・ホテルが建てられるのだから、バブル時代のリゾート投機の餌食になるのはある意味では当然だったのだ。

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